令和5年度 日本語教育人材の研修プログラム普及事業
児童生徒等に対する日本語教師【初任】研修
マイノリティである子どもたちのエスニシティやアイデンティティを大切に見つめながら教育・支援を行う初任日本語教師と、その研修を担う講師人材を育成します。
Himawari LMSでは、日々の日本語教師としての活動に今すぐ役立つ知識や技術などを習得することができ、オンライン研修を通じて日本語教師に求められる資質や知識・態度のスキルを向上させることができます。
Total Online Learning Platform for Japanese Language Teachers
(全18コース・54講義動画)
ウォーミング
アップ
講座のテーマに沿った事前学習の課題を考え、自分の意見を周りに共有する (例)在住外国人の方々の数について、この30年の推移を調べてみましょう。
講 義
確認クイズ
講義に関するクイズで内容の理解度を確認
発展活動
研修内容を振り返りながら、発展活動に取り組む (例)日本で暮らす外国人児童生徒等を取り巻く環境や固有の事情を調べ、特徴的なことをまとめてみましょう。
国や地域内の外国人の状況や,外国人施策・入国管理制度等の外国人児童生徒等の受入れの背景に関連する動向を把握している。
児童生徒等の日本語教育に関わる学校等教育機関の受入れ体制や支援の仕組みについての知識を有し,地域のニーズを理解している。
児童生徒等の成長発達(言語発達を含む)の特徴と,生育環境の変化による影響(適応,アイデンティティ形成)について理解している。
児童生徒等の社会化のプロセスについての知識を有し,キャリア支援の視点から将来を想定して日本語指導が果たす役割を理解している。
児童生徒等の言語習得(日本語及び母語の)と言語運用の特性に関する知識をもっている。
児童生徒等に対する日本語の指導計画・指導方法についての知識を有し,子どもの生活・学習文脈に関連づけた言語教育の方法を理解している。
児童生徒等の言語の能力(日本語及び母語)を,多様な角度から把握・評価することができる。
児童生徒等の個々の特性(年齢・能力・文化的背景等)に応じて,日本語の学習活動を設計し,実施することができる。
指導計画に即し,子どもの実態に応じて,教材などを工夫した指導・学習支援を行うことができる。
内容(教科等)と日本語とを統合する考え方で,児童生徒の生活や学習と日本語学習を関連づけ,学習参加の支援することができる。
実践を分析的に振り返り,改善のための検討を行うことができる。
児童生徒等を取り巻く社会の中に,自身の役割を位置付け,教育・支援の内容や方法を決定し,実施することができる。
児童生徒等の将来を想定して,学校や地域,家庭などの活動において,教育・支援を行うことができる。
ライフコースの支援の視点から,児童生徒等の日本語教育・学習支援の在り方を考え,実践しようする。
保護者,地域の支援者,学校関係者と協働し,地域全体としての日本語教育・支援の充実に貢献しようとする。
複雑な事情を抱える多文化家族の背景を理解し,児童生徒等の社会参加を伴走し,その成長・発達を促そうとする。
指導する立場であることや多数派であることが,少数派の児童生徒とその保護者にとって権威性をもつことを自覚し,自身の行動を内省しながら教育・支援に臨もうとする。
Learning Courses
外国人児童生徒等の現状と課題1990年の「出入国管理及び難民認定法」の改正以来、日本に 暮らす在留外国人の状況は大きく変化し、その数は急速に増えています。さらに、2019年4月には、改正入管法が施行されました。それに伴って、外国人児童生徒等の増加に対する、受入れ体制の整備や共生社会の実現に向けた取組が重要となっています。日本の小学校や中学校における、日本語指導が必要な子供たちを取り巻く環境や諸課題について共有します。 外国人児童
地域の現状と課題この動画では、「地域」に焦点を置き、「地域」という視点から外国人児童生徒等教育の現状と課題について考えていきます。一口に「地域」といっても、様々な意味がここには含まれます。例えば、よく知られている「外国人集住地域」「外国人散在地域」といった使い方もあります。また、地域によっては「エスニック・コミュニティ」といったグループ(共同体)もあります。子どもたちの学びは、学校だけで完結するのではありません。地域の様々な場面での営
地方自治体の受入れ体制地方自治体(都道府県・市町村など)が、外国人児童生徒等を受入れる時にどんな施策が必要でしょうか。国、都道府県、市町村のそれぞれが果たす役割、都道府県教育委員会や市町村教育委員会の果たす役割を考えます。外国人集住地域と外国人散在地域の違いを考えながら、受入れの様々な取り組みについて考えます。 学校の教育体制学校が外国人児童生徒等を受け入れる時に何をしなければならないでしょうか。ことば・制度・習慣の異なる国から
地域のリソースと社会的ネットワークここでは、地域のリソースと、そのネットワークについて考えます。まず、地域のリソースにはどんなものがあり、ネットワークによって、外国人児童生徒等の支援にどのような役割を果たすのかを考えます。次に、外国人散在地域のリソースとネットワークについて見ていきます。そこから、自分の地域にある、外国人児童生徒等支援のためのリソースと、そのネットワークについて考えてみましょう。どんなリソースが必要なのか、そのネットワ
(13)自文化中心主義と文化相対主義 (1)外国人児童生徒等やその家族は、様々な出身地域の文化や価値観をもっています。そうした様々な文化や価値観に出会ったときに、教員や他の子どもたちがどのように受け止めるのか、この動画を通して考えていきたいと思います。そして、異文化接触において自文化中心主義の考え方と文化相対主義の考え方では、どのように受け止め方が違うのか、また、異文化接触を通して異文化に対する感受性が発達していく過程について理解を深
文化間移動とアイデンティティ国内で日本語を学んでいる外国人児童生徒等は、複数の文化のもとで暮らし・学んでいます。出身の国・地域から日本へやってきて、日々、家庭と地域・学校の間を往来していますが、それは、文化の境界を越えた移動です。この動画では、「文化間移動」が子どもの成長・発達にもたらす影響について、特に、アイデンティティ形成に着目して、考えます。なお、続く、(17)生育環境、(18)社会化の動画も、「文化間移動をする子どもたち」の成
発達段階と言語習得人は生まれてから周囲の人とのかかわりの中でことばを習得していきます。乳児期は主に養育者とのかかわりの中で、幼児期になると養育者以外の人ともかかわるようになり、語や表現を増やしていきます。しかし、学校への就学を機に新たなことばの‘獲得’が要求されるようになり、その‘獲得’は大人が想像する以上に子どもは困難な状態に置かれていると言われています(岡本1985)。このことは外国人児童生徒等が学童期や青年期に抱える言語習得上の
生活言語能力と学習言語能力⽇常会話の場⾯では⽇本語が流暢に話せるにもかかわらず、学習⾯で課題を抱えている外国⼈児童⽣徒等のことをよく⽿にすると思います。これは、⽣活⾔語能⼒、学習⾔語能⼒と呼ばれる⼒の習得にかかる時間や習得⽅法の違いに起因していると⾔われています。この講義では、この2つの⾔語能⼒の捉え⽅のもととなっているカミンズ(1979)のBICSとCALPの概念を中⼼に説明し、外国⼈児童⽣徒等の⾔語能⼒の捉え⽅について整理します。
コースデザインこの講義では、外国人児童生徒等を対象に日本語教育を実施する際のコースデザインについて、検討します。まずは、成人を対象にした日本語教育の場合との違いを、日本語教育が果たすべき役割という角度から整理します。次に、子ども自身の多様性と日本語教育・支援の現場の多様性について改めて確認し、コースをデザイン(設計)することがなぜ必要なのかを検討します。そして、その現場のその子どものためのコースデザインを、どのような手続きで進めるのか
初期指導ここまで(外国人児童生徒等の日本語教育のコースデザイン(1))では、コースデザインの概要、それに従って「特別の教育課程」をどのように考えるか、そして、コースデザイン全般に関わる重要な事項として、評価について紹介しました。続けて、このセクション(外国人児童生徒等の日本語教育のコースデザイン(2))では、子どもたちに対する指導の時期を考慮し、その時期に沿ったコースデザインの考え方について、初期指導、中期指導、そして、日本語と教科指
この講座では、2つの実践事例をもとに、外国人児童生徒等への指導について考えていきます。成長発達の途上にある児童生徒等への指導は、母語が確立し社会経験や学習経験もある成人への日本語教育とは異なります。実際の授業を通して言語教育という面だけでなく、現場の課題や学習者の多様性への柔軟な対応が求められる児童生徒への指導の特徴を見ていきましょう。
教材教具の活用1これまで、外国人児童生徒や教育・支援現場の多様性などを考慮してコースデザインをし、各日本語プログラムの内容と方法について、具体的な実践例などを通して学んできました。この動画では、実際に外国人児童生徒等に日本語を教える段階で必要となる教材・教具に関し、どのようなものが利用されているのかを確認します。次に、コースに照らして教材・教具をどのように選択するかを考えます。教材・教具の分析の仕方や選択の考え方は、基本的には成人対象
子どものための音声指導この動画では、外国人児童生徒等(外国につながる子ども)の教育にかかわって、音声指導について考えていきます。子どものための音声指導についてはいろいろな考え方があります。なぜ音声指導が必要なのでしょうか、また、どのような音声指導が望ましいのでしょうか。そのために、教師にはどのような資質・能力が必要なのでしょうか。子どものための音声指導・日本語指導と成人のための音声指導・日本語指導との異同を考えながら、資質・能力を身に
子どものための語彙指導この動画では、外国人児童生徒等の教育に関する、子どものための語彙指導について扱います。 外国人児童生徒等は、日々、膨大な量のことばに触れ他者とのコミュニケーションと学習に取り組む必要があります。日本語母語児童の場合は小学校入学時点で6,000語の理解語彙があるといわれているように、日々児童が接することばの世界というものは決して小さくありません。この動画では、さまざまな角度から、外国人児童生徒等が直面する語彙をめぐ
キャリア教育かつての一括採用、終身雇用のシステムが崩壊した現代日本社会では、すべての子どもたちにとってキャリア教育、キャリア形成支援の必要性は高まっています。多様なキャリアをたどる文化間移動をする子どもにとっては、より一層、キャリア発達の支援は重要です。ここでは、キャリア教育とは何か、またその内容はどのようなものかを紹介します。その後、外国人児童生徒等のキャリア発達の特徴を踏まえて、支援の在り方を考えましょう。 ロールモデル外国
進路選択支援1この動画では、外国人高校生等の進路選択(進学)の現状と課題について考えます。高校に入るまで、入ってから、高校卒業後という時間軸に沿って、外国人高校生等の状況と神奈川県で行われている支援活動の事例を見ていきます。そして、進路選択支援(進学)と日本語学習支援について、広い視野から理解を深めます。外国人高校生等の進路(進学)を実現するためには、彼らのライフコースを見据えた長期的な視野にたったキャリア教育が必要であること、そのた
ライフコースこの回では、日本語指導・教科指導といった課題にはじまり、外国人児童生徒等をライフコースという生涯にかかわる長期的な展望から見直してみる。ライフコースは、家庭・生活環境、社会関係、社会構造と強く関係している。外国人児童生徒等が、家庭・生活環境、社会関係・社会構造において直面している課題をとらえ、支援者としてのエンパワーメントの必要性を考えることにつなげる。 エンパワーメントエンパワーメントにおいては、知識・技能を与える
実践の共有教育活動を行っていると、「どうもうまくいかない」、「他の人はどのように教えているんだろう」、「このやり方でいいのだろうか」、などと考えることがあります。「〇〇さんを教えた時は大丈夫だったのに」とか、「日本語学校で留学生を教えた時は、成功したのに」と感じることもあるでしょう。他の教師の授業を見て、「△△さんの授業はスムーズだな」と思うけれど、その理由がよくわからないという場合もあるかもしれません。そういう時、みなさんはどうして
各地の日本語教師とお互い交流を深めながら、地域の課題やその解決に向けた取り組み等を共有し、よりよい日本語教育環境の構築に役立てましょう。